林 明子

こんとあき

こんとあき 人気ランキング : 6803位
定価 : ¥ 1,365
販売元 :福音館書店
発売日 : 1989-06
発送可能時期 : 通常24時間以内に発送
価格 : ¥ 1,365

「あき」のおもり役としておばあちゃんのところからやって来た、キツネのぬいぐるみの「こん」。あきが大きくなるにつれて、こんもだんだん古くなり、とうとう腕がほころびてしまった。「さきゅうまちに かえって おばあちゃんに なおしてもらってくる」というこんに、あきは「わたしもつれてって」。2人だけの、大冒険が始まった。 しっぽを電車のドアにはさまれたり、犬に砂の中に埋められたり…。次々と大変な目にあっても「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言い続け、あきに心配をかけまいとする、こん。おばあちゃんの家を目指し、こんをおぶって広大な砂丘を必死に歩く、あき。互いを思いやるふたりの友情に、胸が熱くなる。 なんといっても魅力的なのは、こんのキャラクター。すいすいと電車に乗ったり、おいしい駅弁に詳しかったりと妙にたくましく、世慣れしているのがおかしい。そして、必死であきを守ろうとするけなげなその姿が、読み手の心をぎゅっとつかむ。(門倉紫麻)

いつか訪れる別れの前に

 妻は、子供のころに買ってもらったコアラのぬいぐるみと、つきあい始めたころに私が買ってやったペンギンのぬいぐるみを未だに手放せずにいます。ライナスの毛布とか移行対象とか言うらしいです。人は、大人になるまでに、得る物と失う物とどちらが多いのだろう、そんなことを考えさせられた一冊でした。また、日本人を日本人らしく描いているのに可愛らしい、と言う単純の事実に、素直に驚いたことを憶えています。娘達も大きくなりましたが、捨てることを許してくれません。正直、私自身手放しがたい一冊になっています。

あきちゃんに・・・

わが娘、あきの三歳のお誕生日にプレゼントした思い出の本です。
同じ名前だったのも魅力でしたが、やはりドキドキ楽しいお話に大のお気に入りとなった本です。
母としては何より絵がかわいいいっ!子供のあどけない表情がとてもよく描かれていると思います。
全国のあきちゃん!!おすすめよ!(もちろん、あきちゃん以外の方も!)

こんを作ろう

母の友2004年5月号(こんの作り方掲載・実物大型紙つき)からの抜粋です。
○林さんは実物がないと絵が描けないそうで、ちょうどいいキツネのぬいぐるみがなくて
 ご自身で型紙をおこし、’こん’を作ってしまった。’こん’のシャツは林さんのお古を
 リメイクしたもの。
○’おばあちゃん’のモデルは、林さんの大好きだった手芸好きなおばあちゃまで、
 実物そっくりに描いている。
○’あき’のモデルは林さんの姪っ子のあきちゃん。

帰路であきは、きっと’こん’にだいじょうぶって言ってあげる側になっていますよね。
実は電車が苦手の娘も、いつか自分の中のハードルをクリアしてほしいなぁ…と思います。

文学作品

「こんとあき」からは、文学の香がするとおもいませんか。
赤ちゃんが子どもとなり、今社会へと出て行く。
誰もが経験するイニシエーション=通過儀礼を
暖かく幸せな物語に託してくれたこの本に感謝します。
子供たちが大好きで、夜寝る前に
何度もこの本を読まされました。
おじいちゃんが、だいじょうぶを繰り返す本がありますが
その原型は「こん」が語ってくれていたように思うのです。

リアルな世界の不思議なお話

せがまれて何度この本を読んだことだろう。
考えてみれば、とても不思議な絵本である。

きつねのぬいぐるみの「こん」は
ある時は「あき」の友人として一緒に旅行に出るが
ある時はぬいぐるみとしておばあちゃんに腕を付け直してもらう。
パステル調の柔らかい、しかしリアルな世界の中で
「こん」は生物/無生物の垣根を楽々と越えていく
不思議な存在として描かれている。

「こん」はおそらく「あき」と社会との橋渡しの役割を担っているのだろう。
「こん」は一人で電車に乗れない「あき」を先導する。
妙に世間慣れしていたりもする。
しかしそれらは全てどこかで聞いたような知識である点が
このぬいぐるみのフェイクさを表していておかしい。

「だいじょうぶ、だいじょうぶ」という声が「こん」からではなく
「あき」の内側から聞こえてくるとき、
「あき」はひとり立ちし、「こん」は真のぬいぐるみに戻るのだろう。

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