アンジュール―ある犬の物語
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文章がない |
無駄な文章がなく、絵のみ。
それが、創造を書き立てられ、逆に面白かった。
こんな本ははじめて。
絵もデッサンのような感じで、素晴らしいと思う。
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涙が止めどなく溢れる |
読後も涙が止めどもなく溢れ出す自分がいました。この絵本は文字が一切ありません。なのに“言葉”や捨てられてしまった犬の“想い”が痛い程に心に響くのです。野道を疾走する車の窓から投げ捨てられた犬。その犬はそれでも車を求め走り続ける。時には諦め、様々な場所を佇む犬。忠誠なるその姿が…主人を追い求める姿が忘れられません。言葉はなくともその姿や表情が著者の繊細なるデッサンから驚く程リアリティにありのまま伝わってくるのです。この現状は外国だけでなく現在の日本の姿をも物語っています。発行されて何十年経った今も変わらない現実。むしろ酷くなるばかりのような気がします。何て切ないのだろうか、やるせないのだろうか…。もっと多くの人にこの絵本を読んで頂きたいです。現実から目をそらさないで。もう一度、この本を読んで考えて欲しいと切実に願います。
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画による小説 |
表現力あふれる圧倒的な画力で、文字を一つも持たない短編小説が描かれる。
この作品に出会えたことに、本当に感謝しています。
大切な人にプレゼントして、この作品を感じ取ってもらいたい、
「ステキな本」、そう言われたい。
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いつまでも胸に残ります |
寂しそうな少年とすてられた犬。
これから互いに寄り添って生きるのでしょうが、身体半分が省略された少年のデッサンは、「幾ら寄り添っても寂しさは100%埋めあうことはできない」
と言っているように感じます。
「めでたしめでたし」で済まない様な奥深さを感じ、何度も読み返してしまいます。
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絵本といっても文字を一切使用しない鉛筆デッサン集 |
アン・ジュール(ある日)、犬が走る車の窓から投げ捨てられた。
その後のことを、一枚一枚鉛筆デッサンがもの言わぬ犬の気持ちを正確に描き出し、心をうつ。
飼い主を追って、スピードをあげて走り去る車を夢中で追いかける犬。狼狽し、 なんとかして追いつこうと必死に追いかける。が、車はスピードをあげどんどん遠ざかり…消えた。
がっくりと肩を落とす犬。しかし、あくまでも、飼い主を追って、車が走り去った国道を歩き続ける犬。果てしなく続く道。たまらくなりうおおんと吼える犬。
やがて犬は浜辺に出る。遠景からとぼとぼと歩き続ける点のように描かれた犬。夕闇迫る大空と広い海と砂と黒い雲と、木っ端のような犬。
支えを失った索莫とした孤独感と寂しさが、デッサンを見る者の胸に突き刺さる。
犬の生涯を責任を持って引き受けたことのある人なら誰にでも分かる、人間にぴったり寄り添い生きる犬の気持ち。
この絵本の山場はもうひとつ、ラストシーンか?。
孤独にとぼとぼと歩く犬を、やはり道を孤独にとぼとぼと歩く少年が見つけ、救いにくる。犬には少年の心が理解できた。うれしくなって、すりより、甘えて飛びつく犬。
人間の一人として救われた気分になると同時に、この作家は、ほのぼのとした温かな交流を描く、「くまの アーネストおじさん」シリーズの作家であることを思い出した…………。


