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ユメミザクラの木の下で (こそあどの森の物語) 人気ランキング : 100355位
定価 : ¥ 1,575
販売元 :理論社
発売日 : 1998-12
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価格 : ¥ 1,575
サクラの物狂おしさ

「こそあどの森」らしい、繊細さに溢れた一冊。「サクラ」の咲く様を「序破急」のリズムに喩える人がいる。咲くまでがとても長く待ち遠しく、そして咲いたと思ったらあっという間に散ってしまう。だからサクラの季節はどこか物狂おしく感じられるのだろうか。そんな情景がこの巻にも広がっている。寒さの中にひとひらの暖かさが感じられる早春の宵に、戻らない時を思いながら読みたい一冊。

儚い夢の中の夢物語

こそあどシリーズ作品中、私が個人的に一番好きなお話です。
春の野原で出会った女の子を筆頭に、次々と現れては消えてゆく不思議な子供たち。
設定が春だからかいつもの作品に比べより幻想的なタッチで描かれており、伏線の張り方が見事です。
謎に包まれたスキッパーのお話が終わると、謎解きのためのお話がありますが、それをすべて読み終えたときに感じる切なさに、私は思わず涙を流しました。
楽しくも儚くてもの悲しい夢の中の物語。
心の中に残る余韻は、夢から覚めた切なさと似たものかもしれません。

不在の世界のお話

 現在6冊まで出ているシリーズ中でも、もっとも詩情が豊かという印象です。もともとこのシリーズ自体が一人っ子の世界、はやくから孤独を知っている少年の世界というふうに読めるのですが(そうしてバーバさんはいつも不在です)、かくれんぼ、うたた寝の夢というシチュエーションによってよりいっそうきわだつことになりました。
 誰かから本当の名前を呼んでもらわなければ目ざめない夢。消えては現れ、現れては消える遊び仲間とのかくれんぼ。不在に不在を掛けて孤独はいっそう深まるばかりです。
 すべてが終ったあとのスキッパーの落胆ぶりは直接描かれていません。それは子供にとっても大人にとっても、あまりに残酷で、つらすぎる出来事だからにちがいありません。 
 
 

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